アオバ・インターナショナルスクールは1976年に東京の中心部に設立され、1998年にジャパンインターナショナルスクールと合併したのちに、アオバジャパン・インターナショナルスクールとなりました。2011年には、教育の範囲を幼小等部から高等部まで拡大しました。2012年には、現在の東京都練馬区光が丘に移転しました。その翌年にはIB認定校となり、国際バカロレア幼小等部(K2から5年生)、中等部(6年生から10年生)、高等部(11年生から12年生)から成る学級で構成されています。
また、アオバグループは、東京都内の5校の幼稚園と提携しています。その中には、国際バカロレアの認定校であるバイリンガルプリスクールが3校、国際バカロレア認定校候補のインターナショナルプリスクールが1校、新設したバイリンガルプリスクールが1校あります。
入学者選考
アオバジャパン・インターナショナルスクールでは、国際バカロレアのカリキュラムで優れた成績を収め、学びを最大限に活かすために勉学に全力を尽くせる方生徒を求めています。上記の要素は、各応募者の学業成績や教師による推薦などから評価、決定されています。
同校は、特に中学3年生までの英語学習に特別なサポートが必要な生徒を受け入れています。英語学習の平均を見てみると、1年生から9年生(小学1年生から中学3年生)までの生徒の30%が、追加言語としての英語サポートをある程度受けています。ただし、9年生からの新入生は、EAL(第二言語としての英語学習)のサポートなしでカリキュラム全体を理解することのできる十分な英語力が必要です。また、必須ではありませんが、最低でもご両親のどちらかが、学校職員と英語で不自由なくコミュニケーションが取れることが求められます。
同校へのすべての入学願書は、生徒が申請する学区の入学事務担当者と校長先生によって審査されます。11年生および12年生(高校2年生と高校3年生)の入学願書は、各生徒がディプロマプログラムの要件を満たしているかの有無を確認するため、ディプロマプログラムのコーディネーターも同様に入学願書を確認します。入学願書の申請期間の一例ですが、2020年11月1日から2021年12月31日で、面接は1月に行われました。この期間以降も、空き状況に応じて随時申請を受け付けているとのことです。
アオバジャパン・インターナショナルスクールは、国籍、人種、宗教で差別をしたりせず、同学の学習上および行動上の期待に応えられるすべての生徒を受け入れています。同校が生徒の入学を拒否する場合としては、その生徒の入学が、他の生徒にとって最善ではないと判断した場合、および/またはその生徒の学習上または行動における要望に応えることができないと学校側が判断した場合にのみ生じます。
教育
アオバジャパン・インターナショナルスクールは、IB認定校です。幼小等部、中等部、高等部の生徒に、初等教育プログラム(PYP)、中等教育プログラム(MYP)、ディプロマプログラム(DP)を採用しています。国際バカロレアのカリキュラムでは、生徒がコミュニケーション能力や問題解決能力、リスクを取る力を身につけ、将来のリーダーや起業家、イノベーターとして成長できるよう支援することに重点を置いています。
アオバジャパン・インターナショナルスクールの幼稚園では、子供たちは屋外・屋内での様々な遊びを通して、社会性や身体能力を身につけていきます。また、幅広い教科に触れることで、実践的な活動に没頭できるようになります。幼い頃から工作や音楽、芸術に触れることで創造性や抽象的なコミュニケーション能力を刺激し、早い時期からそういった能力を身につけていきます。小学校に進学すると、カリキュラムの構成に重点が置かれ、国際バカロレアの典型的な「探究の単元(UOI)」に従い進められます。この概念は、幼い生徒が自分を取り巻く世界とその中での自分の位置の理解を深めることに重点を置いているもので、クリティカル思考を持ったり、意見の相違や議論を行うことを奨励しています。PYPの詳細につきましては、IBウェブサイトの「プログラム」をご覧ください。
中学校では、小学校で学んだスキルを引き続き実践し、自立した学習方法を身に付けることを目指します。言語と文学、言語の習得、個人と社会、グローバルリーダーシップ、数学、デザイン、芸術、科学、体育を学習します。また、生徒と教師が共同で開発する自主デザインコースにも参加します。
高校では、国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)と、アオバジャパン・インターナショナルスクールが独自に構築した、グローバルリーダーシップディプロマ(GLD)から選択することができます。
このディプロマプログラムでは、上級レベル(HL)3科目と標準レベル(SL)3科目の計6科目を選択することができ、必修科目である「知の理論」と並行して学習していきます。その6科目には、人文科学、科学、数学のうち最低2科目が含まれていなければなりません。また、奉仕活動や4,000文字の自由研究論文を完成させる必要があります。国際バカロレアのプログラムは国際的に認められたカリキュラムであるため、大学ではディプロマプログラムの科目の中でも、特に上級レベルの科目で十分な成績を収めた生徒にのみ、大学の単位が与えられます。アオバジャパン・インターナショナルスクールでは、対面形式とオンライン形式を組み合わせると、20種類以上もの異なるDPコースが開講されています。
アオバジャパン・インターナショナルスクールの高校生のもう一つの選択肢は、同校独自の「グローバルリーダーシップディプロマ(GLD)」というプログラムです。このプログラムは、国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)と共通のアプローチである、「グローバルリーダーシップ」「起業家精神とイノベーション」「効果的なコミュニケーション」「賢明なリスクテイク」「効果的な問題解決」の原則に基づき、進路を自ら決定することのできる自立した学習者を育成することを目的としています。
このプログラムを通じて、生徒自らが自分の経歴やスキル、自分にとって可能性のある職業や起業への興味関心や、将来の訓練施設や大学などを考量した独自のカリキュラムの作成が求められます。また、このプログラムに参加するためには、同校で過ごす時間の中で、自分の目標から逆算して何が必要かを考え、着実かつ確実に進歩するために必要なステップと目標を設定することが、必要となってきます。各GLDに参加する生徒は、自分の時間と授業の両方すべてに責任を持って管理し、すべての課題、評価、質問の成果を、GLDプログラムのブレンデッド・ラーニングの教師から評価してもらえるように全力を尽くさなければなりません。4年生(小学4年生)の内訳ですが、約3分の2がDPコースを受講し、3分の1がGLDコースを受講しています。
アオバジャパン・インターナショナルスクールでは、様々な国や文化、言語背景を持つ生徒を受け入れる学校として、EAL(英語を母国語としない生徒のためのサポートプログラム)を設けており、生徒が国際バカロレアのカリキュラムを十分に活用できるようにサポートしています。6年生から8年生まで(小学6年生から中学2年生)のEAL初心者の生徒は、通常の中等教育プログラムクラス(MYPクラス)と並行して、少人数制のクラスでサポートを受けることができます。生徒はMYPクラスの言語習得ガイドに沿って学習し、国際バカロレア認定のトレーニングを修了した有資格の教師により評価基準と各生徒の成績を照らし合わせて評価を行います。同校では、フェーズ1からフェーズ6まであるEALのサポートを採用しています。フェーズ6を修了すると、標準コースである「言語と文学」のコースに進むことができます。実際のEALプログラムでは、1年間の授業で生徒の英語能力を1段階以上(5段階評価)向上させています。
一方で、日本語を学びたい外国人生徒のために、「第二言語としての日本語(JAL)」と、母語としての日本語学習(JLA)」という幅広いプログラムを設けています。これらのクラスでは、さらなる語学学習に必要なスキルを身に着け、生徒がより日本の地域社会に参加できることを目的としています。どちらのプログラムも言語や文化への認識を高めることに重点を置いているので、日本語教育に日本の習慣を統合しています。
日本語が堪能でない生徒も、自分のレベルに合わせて日本語学習を進めることができます。中学校では、国際バカロレアの「母語としての日本語学習(JLA)」プログラムでは、フェーズ1からフェーズ6の段階を、5年間かけて学習していきます。この授業を通して、生徒は地域社会に関わることができるようになり、「言語と文学」のDPコースも利用することができるようになるのです。
リーダーシップ、部活動、スポーツ
アオバジャパン・インターナショナルスクールの部活動のほとんどは、平日の放課後15時30分から16時45分まで実施されており、同校では「アフタースクールプログラム(ASP)」と呼んでいます。部活動のスケジュールとその年の概要をまとめた冊子が毎年発行されています。掲載されているASPの多くは、スポーツや音楽、芸術に関連するものが多いのですが、その他の部活動ですとストリートダンス、クラシックバレエ、青少年演劇、コーディングなどがあります。
同校では、学校の内外での舞台芸術に触れる機会を多く設けています。「演奏アンサンブル」という授業があり、中学では必修科目で、高校では大変人気の高い科目となっています。
また、4年生から参加できる初心者向けバンドでは、生徒が自ら選んだ楽器のマンツーマンの指導や、アンサンブルへの指導を受けることもできます。初心者向けバンドの他に、ハンドベルクワイア、ジャズアンサンブル、上級者向けバンド、全年齢を対象としたグループへの楽器指導、個人での楽器指導などがあります。
視覚芸術に関して見てみると、同校ではデッサン、絵画、彫刻、版画、ミクストメディア、美術史、グラフィックデザイン、CIデザイン、写真、コラージュ、イラスト、エディトリアルデザイン、ポスターデザインを学ぶことができます。また、コンピューターをはじめとする多様なアートメディアの活用を重視しており、美術館やギャラリーの見学、アーティストとの交流、アートコンテストへの参加など、多くの機会が設けられています。
また、同校のJaguarsプログラムは、学校での総合的な体験を豊かにすることを目的としています。チームワークや個人のスキルの向上と、自尊心の育成を目指すプログラムです。取り組むことのできるスポーツには、フットボール、バレーボール、ランニング、バスケットボールなどがあります。
成果
アオバジャパン・インターナショナルスクールの進学カウンセリングは、生徒の自立を促し、目標を達成するために必要な要件を理解するべく、個人の計画性を養うという理念に基づいて行われています。毎月最低でも1回以上、ヨーロッパ、カナダ、アメリカ、日本、オーストラリアにあるトップ大学の大学入試担当者がキャンパスを訪れています。また、生徒は地域の中等後教育フェアに参加し、大学の代表者と直接お会いして話を伺う機会を設けており、その参加を強く勧めています。
直近の卒業生の入学先を見てみると、以下の世界で最も有名な大学のいくつかに進学しています。大学名は以下の通りです。
テンプル大学ジャパンキャンパス(日本)
早稲田大学(日本)
カーネギー・メロン大学(アメリカ)
シラキュース大学(アメリカ)
カリフォルニア大学デービス校(アメリカ)
デンバー大学(アメリカ)
ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)
ダラム大学(イギリス)
インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス)
セント・アンドリューズ大学(イギリス)
オーストラリア国立大学(オーストラリア)
シドニー大学(オーストラリア)
香港科技大学(香港)
南方科技大学(中国)
本レポートに掲載されている情報は、アオバジャパン・インターナショナルスクールの生徒様のご経験、生徒様と関わりのある東京アカデミックスの担当者の知識、The Good Schools Guide International、アオバジャパン・インターナショナルスクールのウェブページから掲載されています。