Jan 20

サンモール・インターナショナルスクールのレビュー

サンモール・インターナショナルスクールは、東京と横浜にある幼稚園から高校までの男女共学の学校です。1872年に設立されたアジア最古のインターナショナルスクールで、カトリック教会の教えに基づいた教育を行っていますが、あらゆる国籍や宗教を信仰するお子様を受け入れています。

 

同校の生徒と教師の比率は7:1で、約450名の生徒が在籍しています。約150年の歴史において、日本の国際教育のパイオニアとされています。附属のエコール・フランセーズ(フランス語学学校)は2007年に開校し、5歳から6歳、10歳から11歳までのお子様が利用することができ、この地域のフランス人やフランス語を話すご家庭のニーズに応えています。エコール・フランセーズでは、第一言語としてフランス語の学習を継続したい中高生向けのプログラムも提供しています。

 

同校は、典型的なアメリカの学校の学習システムを採用しています。しかし、9年生(中学3年生)に入学した生徒は、10年生(高校1年生)でIGCSE試験を受験いただき、11年生と12年生(高校2年生と高校3年生)で国際バカロレアのディプロマ・プログラムに進む準備をする必要があります。さらに、上級クラスやSAT標準テストを受ける選択肢も用意されています。

 

入学者選考

サンモール・インターナショナルスクールはカトリックの学校であり、キリスト教の理念に基づいた教育を採用しているにもかかわらず、あらゆる宗教、国籍、民族を歓迎する環境が整っています。同校は人種、宗教的信条、国籍、民族的出自、性的指向、身体障害などに基づいて、雇用や生徒の選考において差別を行いません。ただし、キャンパスは「バリアフリー」ではないので、物理的に困難な方は学校管理者にご相談ください。

 

海外から出願する日本人のお子様で、国際社会の一員として「最近帰国した生徒」に分類されるお子様からの出願を受け付けます。 

  1. 「最近帰国した生徒」

  2. 日本国内にある他の全日制の英語中等教育(インターナショナルスクールなど)からの転入生

  3. 家庭の事情により、日本国内の日本人学校または現地校に通うことができないお子様。

 

日本人のお子様で二重国籍の方の場合、両親または法定後見人のいずれかが英語での読み書きが流暢にできる方がいること、そして学校と有意義に関わり、生徒の学習言語をサポートができることに該当する場合にのみ応募資格があります。 

 

入学手続き

サンモール・インターナショナルスクールの入学手続きは以下の通りです。

  1. 照会:同校への出願資格を決定する際に必要な手続きには、オンライン出願前照会フォーム(無料)の提出が必要となります。照会フォームを提出することで必要な情報が提供され、それから担当者が割り当てられ、必要且つ明確な質問をすることができます。  照会が提出された後に入学資格があると見なされた場合は、学校を訪問することが許可されます。

  2. 出願:ご家族に出願資格がある場合は、入学許可のリンクが添付されたメールが送られてきます。出願には、入学希望者のパスポートのコピー、2年間の英語による学業記録(フランス語学学校を除く) など、様々な情報の提出が必要です。また、保護者には教師からの推薦状2通の提出と、連絡先を提供するように求められます。就学前のお子様の場合は、そのような文書は利用できないもしくは制限されることを学校側が認識しています。もし、お子様が特定の学習ニーズや何らかの違いを持っている場合は、専門的な評価と関連文書の提出が必要となりますのでご留意ください。特に中学生の場合は、標準テストの結果や、高校についてやIGCSE、IB関連の準備文書など、追加情報が要求されることもあります。また、この申請の過程にて、クレジットカードでの申請料のお支払いが徴収されます。

  3. 評価

  1. 4年生から11年生:4年生から11年生(小学4年生から高校2年生)までの新入生全員が、入学前に評価を受けます。同校では、IBプログラムは11年生から始まるため、通常12年生(高校3年生)の入学は受け入れていません。入学希望者の評価は発達に応じた方法で行われ、英語力と数学の科目が対象となります。日本在住ではない生徒やキャンパスに来ることができないお子様は、リモートにて評価が行われます。

  2. 1年生から3年生:1年生から3年生(小学1年生から小学3年生)までのすべての入学希望者は入学前に評価されます。しかし、同校ではそのような年齢の低いお子様がリモートでの評価を受けることは、発達上適切ではないと判断されています。そのため、この年代の日本在住ではない生徒やキャンパスに来ることができない生徒には、「仮の受け入れ」の指示が行われ、実際の評価は、生徒が授業を開始する前の到着したタイミングに行われます。 

  1. 受け入れ:ご家族がお子様を登録できるように、完全受け入れまたは「仮/条件付き」受け入れが発行される場合があります。「仮/条件付き」受け入れは、対象となるお子様が、合格するために必要な特別な要件がある場合に発行されます。 

  2. 完全受け入れの場合:お子様が受け入れ可能であると判断された時点で、入学の空きがない場合、そのお子様は順番待ちの列に加わることとなります。順番待ちは先着順に構成されているものではなく、同校にとって最も適した生徒だと判断した場合に、その順番に応じて受け入れています。

 

入学基準

モンテッソーリ教育(プリスクール):このプリスクールでは、トイレトレーニングを行っており、「使い捨てトレーニングパンツ」やオムツを必要としない2歳半~5歳のお子様は、サンモール・インターナショナルスクールのモンテッソーリ教育(プリスクール)への入学を申請する資格に該当します。2歳半〜3歳のお子様は、半日または1日のプログラムの対象となります。4歳からは、午後の識字前教育プログラムに参加するために、フルタイムで通うことが求められます。プリスクールでは評価は行われないため、プログラムへの入学基準は、お子様が正式な学校教育を受ける準備ができていること、自力でトイレを使用できること、教室の環境に溶け込むことができることに該当しているかの有無に基づいています。

モンテッソーリ就学前プログラムに合格したからといって、自動的に同校の小学校に入学できるわけではありませんのでご注意ください。小学校への入学を希望するすべての入学希望者は、以下のことに該当している必要があります。

  • 年齢相応の成熟度を達成している。

  • グループの指示に従い、最小限の教師の援助で指示を実行することができる。

  • 規定の時間枠内で、年齢相応の課題を完了することができる。

  • 年齢相応の社会的・行動的スキルを身につけている。

  • 年齢相応レベルの言語能力が身についている。

 

小学校から中学校:小学校から中学校への入学希望者は、同校の学術的・社会的プログラムの需要を満たす潜在的な能力があることと、同校が採用している教育の恩恵を受けられる人物であることを証明しなければなりません。1年生から8年生(小学1年生から中学2年生)では英語力が求められますが、必須ではありません。追加言語としての英語(EAL)サポートやクラスでの差別化は、生徒の学問的プログラムを強化するために必要に応じて提供されています。

 

中学校へのエントリー:あらゆる英語力を持つお子様は、6年生から9年生(小学6年生から中学3年生)への入学が考慮されます。10年生以上(高校1年生以上)からは学問的プログラムの厳しさも増していきます。学術的な英語力とスキルの必要性が前提となるため、成功に必要不可欠な要素だと言えるでしょう。

 

新入生は、2年間のIGCSE(ケンブリッジ国際中等教育修了証)プログラムに参加します。新入生の11年生(高校2年生)はIBカリキュラムに参加し、フルディプロマプログラム候補者またはコース候補者としてIBプログラムに参加します。コース候補者として登録した生徒は、「創造性」「活動」「奉仕」(CAS)、課題論文(EE)のいずれかに登録します。また、全生徒が「知の理論(ToK)」 授業を履修します。

 

教育

サンモール・インターナショナルスクールの教育は、モンテッソーリ教育を教えるプリスクール、幼稚園、小学校、中学校、高校、そして「フランス語学学校」であるエコール・フランセーズに分けられています。

 

なんと同校のプリスクールと幼稚園は、モンテッソーリ教育を日本にもたらした最初の学校なのです。モンテッソーリ教育とは、様々な年齢の生徒のクラスを作り、生徒が学びたいことを選ぶよう促す子供中心の特別な教育方法のことです。モンテッソーリ教育の長所と短所の詳細につきましては、こちらをご覧ください。同校のモンテッソーリ教育クラスには、2歳半から5歳以上の子供が在籍しており、個人または少人数のグループで学習を行っています。クラスでは、特に子供たちが手を動かすことを通して自然な状態で好奇心を育むことができるように設計されており、プログラムの期間を通して、数学、言語音声学、社会科、科学、音楽、芸術に触れていきます。

小学校のカリキュラムプログラムでは、国際初等教育課程(IPC)と「コモン・コア」の要素を組み合わせており、言語芸術、構造化単語探究、数学、科学、社会科、日本語、追加言語としての英語、宗教科、人格的社会的健康教育(PSHE)、テクノロジー、アート、一般音楽、声楽と器楽、5年生(小学5年生)によるバンド、体育、メーカースペース、図書館技能を学習します。小学校では、生徒は一日の大半を担任の先生と過ごしますが、特定の科目については定期的に専門講師による授業を受けることとなります。

 

小学校の国際セクションの「追加言語としての英語(EAL)」というプログラムでは、言語学習の初心者だと判断された生徒をサポートし、各学年で必要とされる言語に対処できるよう、カリキュラムを通して支援することを目的としています。さらに、小学校では、各学年が年間を通して生徒の関心をそそる校外学習にも参加しています。最近の校外学習では、Apple Japan、三菱みなとみらい技術館、MORIUM&鶴見工場、国立科学博物館を訪問しています。

 

中学校の生徒は、英語、自然科学、数学、社会科(コンピュータアプリケーション、コンピュータサイエンス、ロボット工学)、技術(スタジオアート、音楽、演劇)、世界言語 (日本語+フランス語またはスペイン語)、宗教、体育、個人・社会・健康・教育(PSHE) の確立されたカリキュラムに従って勉強します。6年生と7年生(小学6年生と中学1年生)は、組織スキルを身に着けるクラスも受講します。7年生(中学1年生)はコンピューターサイエンス、スタジオアート、演劇を選択し、8年生(中学2年生)で学習を開始します。8年生の終わりに、9年生(中学3年生)で継続学習するために2つの選択科目から選択します。最初のコースは、IGCSEコンピューターサイエンス、IGCSEビジュアルアーツ、IGCSE演劇、IGCSE音楽の中から選択します。2つ目のコースは、日本語、IGCSEフランス語B、IGCSEスペイン語Bの中から世界言語コースを選びます。

 

中学校の生徒は、毎日朝のお祈りとその日のお知らせを聞くために担任の先生と会います。各ホームルームには、生徒の世話をしたり学校全体を監視する教師が2名割り当てられます。6年生と7年生(小学6年生と中学1年生)では、ホームルームでの教師のサポートに加えて、生徒は各サイクルに1回、代理人プログラムとして中学校のスタッフが割り当てられます。この代理人プログラムは、生徒に大人のロールモデルを与えるために設計されており、生徒のニーズと関心に基づいて指導されます。すべての中学校の生徒は、年に2回、学校のカリキュラムを超えて、教室のカリキュラムに関連した経験が含まれた課外学習に参加します。各中学校の学年では通常2泊3日の長期の宿泊学習にも参加します。

 

9年生と10年生(中学3年生と高校1年生)の生徒は、国際中等教育一般修了証(IGCSE)が提供する多くの科目で試験準備コースを受講します。IGCSEは、ケンブリッジ大学によって運営されており、特にイギリスのシステムに適用されていますが、IGCSEは世界で最も普及している9年生と10年生のための国際カリキュラムです。 

 

11年生(高校2年生)では、全員が国際バカロレア(IB)のプログラムに進みます。提供されるすべてのコースがIBコースであるため(1つの例外を除く)、全生徒がIBコース候補生とみなされます。完全なIBディプロマ・プログラムの要件を満たすのに適切な学力を有する生徒は、IBディプロマ・プログラムに登録することができます。生徒はサンモール・インターナショナルスクールで提供されている22種類の科目のうち6科目を選択し、個人指導の下による少人数クラスで学習することができます。IB試験を修了すると、そのスコアを大学でのアドバンスト・プレイスメントと単位取得に役立てることができます。

 

生徒はIBプログラムの一環として学習するのと同じ科目で、アドバンスト・プレイスメント(AP®)試験を受ける資格があります。これにより大学入学と単位取得に向けて最大限の利点を得ることができます。

 

サンモール・インターナショナルスクールの高校生はそれぞれ、24名から40名のクラスメートと担任教師が2名、顧問教師(1名もしくは2名)からなるホームルームに毎日参加します。通常のクラスは少人数ですが、ホームルームでは仲間と社交的に交流することに取り組むことができます。ホームルームは、学校にいる間には社交の中心の場となるように設計されており、各生徒には個別の机と収納スペースが与えられます。 

 

同校の全生徒が、卒業前の12年生(高校3年生)を対象とした日本国内での3日間の修学旅行でその学びを締めくくります。この修学旅行は教育的であり、いつも教室で学習するテーマに直結しています。しかし、生徒にとって仲間と一緒に友情を深めたり、思い出を築いたりする素晴らしい機会でもあります。

 

リーダーシップ、部活動、スポーツ

豊かさ溢れる生徒を育てるために、小学校では幅広い課外活動や部活動が行われています。いくつか例を挙げると、スポーツの部活動、ダンス、演劇、レゴ、工芸、美術、料理、木工、ロボット工学、武道などの部活があります。ほとんどの活動費用は、授業料の範囲内でカバーされています。ただし、一部の部活動やクラブは、交通費、備品、材料費などをカバーするために追加料金が提供されています。小学校の部活動は、月曜日、火曜日 (スポーツ重視)、木曜日、金曜日の午後3時30分から4時30分まで行われています。

 

中学校では、サンモール・インターナショナルスクールによって練習やパフォーマンスのスケジュールが調整されるので、生徒一人ひとりが美術やスポーツ、その他多くの部活動に参加できるようにしています。

 

中学生が参加できるスポーツの部活動には、サッカー、バスケットボール、クロスカントリー、少年野球、女子バレーボールなどがあります。スポーツは3シーズンに分かれており、1シーズンあたり約3か月となっています。美術については、教科学習と幅広い部活動の両方を通じて経験を重ねることができます。ピンポン、スピーチ、ブレインボウル、ダンス、ワールド・スカラーズ・カップ、数学チャレンジ、生徒会、ロボット工学、アイリッシュダンス、テニス、演劇、ビジュアルアーツ、映画、ファーストエイド CPR、年鑑、日本アニメーション研究など、放課後の様々な部活動があります。どの部活動に参加するにしても、中学校の生徒は関東平野中学校協会(地域リーグ)や、その他のインターナショナルスクールと競争したり、協力する経験を積むことができます。

 

また、中学生は地域や地球規模に関する問題に対する意識を高めたり、地域社会に奉仕したりするための様々な機会に参加することができます。最近、中学校の生徒会では、キャンパスにて世界自然保護基金のための募金イベントを主催しました。

 

同校のサマースクールは、新キャンパス建設のために現在延期されています。しかし、2021年4月に予定されている建設が終わり次第、サンモール・インターナショナルスクールのサマープログラムが再開される予定です。サマープログラムで提供されるコースには、クリエイティブ・ライティング、脳力を高めるクラス、日本語、デジタルメディア、ジャーナリズム/地球規模の諸問題、数学、バスケットボールクリニック、ラジオ&テレビ制作、IGCSE英語が含まれています。

 

成果

IGCSE(一般中等教育修了試験)レベルでは、サンモール・インターナショナルスクールの生徒は非常に優秀な成績を収めています。直近の試験では、成績の40.5%がAからA*、85.6%がCからA*(Cは『より高いレベル』の合格とみなされています)を収めています。

 

次はディプロマ・プログラムに目を向けてみましょう。直近の卒業生の場合、12年生(高校3年生)のフルディプロマ受験者24人のうち23人が、45点満点中平均33点でIBディプロマ取得に必要な条件を満たしていました。ディプロマ合格者の科目の平均成績は、5.21点 (7点満点中)で、フルディプロマに不合格だった生徒の平均成績は3.87点(7点満点中)でした。調査した全コースのうち、同校の生徒全体の平均成績は20コースにおいて、世界平均を上回る結果を残しています。ディプロマ受験者の33%が35点以上、8%が40点以上を獲得しています。バイリンガルディプロマは、2つ目の「言語と文学」(グループ1)コースを学んだディプロマ受験者に授与されています。昨年は、同校の生徒の33%がバイリンガルディプロマを取得しています。

 

同校の一部の生徒は、通常のIBカリキュラムに加えてAP®クラスも受講しており、AP®の高得点の成績を残し、大学での単位取得や上級クラスへの進級を目指しています。直近の卒業生を見てみると、合計38回のAP®試験を受験しており、その79%が大学の単位取得に必要な4以上のスコアを取得し、26%が最高スコアの5という成績を収めています。昨年の同校の生徒の平均AP®スコアは3.6点で、世界平均の2.9点と比較しても遜色のない結果が出ています。非常に優れた成績を収めた生徒を表彰するAP アワードで、同校の多くの生徒が賞を受賞しています。その中には、インターナショナルAP®スカラー賞を受賞した生徒もいます。この賞は、国防総省教育本部(DoDEA)に加盟していないアメリカやカナダ以外の学校に通う男女各1名の生徒が、AP ®試験の平均点や受験数において、最も高い成績を収めた生徒に贈られる賞です。

 

本レポートに掲載されている情報は、アメリカンスクールインジャパンの生徒様のご経験、生徒様と関わりのある東京アカデミックスの担当者の知識、The Good Schools Guide Internationalサンモール・インターナショナルスクールのウェブページから掲載されています。