Jan 03

セント・メリーズ・インターナショナル・スクールのレビュー

セント・メリーズ・インターナショナル・スクールは、東京都世田谷区二子玉川にある幼稚園から高校までの男子校のカトリック学校です。同校は国際バカロレア(IB)プログラムを採用していおり、在籍している1000名の男子生徒の主要言語は英語です。

 

東京の4大インターナショナルスクール(他にはアメリカン・スクール・イン・ジャパン、清泉インターナショナルスクール、聖心インターナショナルスクール、セント・メリーズ・インターナショナル・スクール)の一つとされる同校は、1954年に設立され、東京在住の留学生や、西洋式の英語教育を求める日本人のお子様にサービスを提供しています。アメリカ系、日本系、中国系、インド系、韓国系の生徒の教育に力を発揮しており、豊かな文化と宗教の多様性という遺産は今日も受け継がれています。 

 

当校には幅広い卒業生ネットワークがあり、卒業生が頻繁に訪問して現役の生徒と直接交流する機会を提供しています。生徒は自分の興味のある分野で実際にキャリアを築いた卒業生と話すことで、非常に有益な経験を得ることができます。

 

入学者選考

セント・メリーズ・インターナショナル・スクールは、国際社会から大学進学への準備カリキュラムを希望するお子様を求めています。入学希望者は、以前在籍していた学校の成績証明書、標準テストとスクリーニングテストの結果が分かるもの、そして、入学希望者と保護者様との個人面接に基づき入学資格の有無を判断します。カトリックの学校ではありますが、入学希望者は、キリスト教徒の信者である必要はありません。

 

また、当校では「企業寄付プログラム」を運営しており、このプログラムに参加する外資系企業や団体に勤める外国人の保護者を持つ生徒は、無料で利用することができます。本プログラムを通じて、学校の運営や教育水準の維持のために、保護者、友人、企業、卒業生から寄付を募っています。これらの寄付金は日本の税務当局によって個人所得として扱われず、非課税となっています。

 

当校の企業貢献プログラムは、1978年に国税庁がアメリカン・スクール・イン・ジャパン(ASIJ)に対して認定した寄付プログラムに基づいています。現在同校を含め、年間約10校もの学校がこのプログラムを利用しています。

 

教育

セント・メリーズ・インターナショナル・スクールでは、男子生徒の教育や成長のニーズに特化して設計された、リベラルアーツを基盤とした大学進学準備プログラムを提供しています。

 

小学校のカリキュラムは、「学問」「体育」「宗教・倫理」の3つを柱としています。必修科目に加え、専門教師による指導や充実した設備を活用した授業が行われています。生徒は絵画、デッサン、版画、陶芸、彫刻、声楽、器楽、日本語、体育、水泳など、多彩な授業を受ける機会があります。また、小学校では現代のテクノロジーを包括的に学べるカリキュラムを提供しており、生徒が効果的かつ適切にテクノロジーを活用する力を養うことを目指しています。

中学校では、デザインとテクノロジー、美術、言語(英語)、数学、体育、宗教・倫理、科学、社会、世界言語(日本語またはフランス語)を学びます。さらに、7年生と8年生(中学1年生と2年生)では、以下の選択科目から選択可能です。

  • クワイア

  • バンド

  • アート

  • ドラマ

  • ディベート

  • 映画

  • STEM-SIMS(実験室実験とエンジニアリング設計シミュレーション)、(7年生/中学1年生のみ)

  • 楽しみながら学ぶ統計学(8年生/中学2年生のみ)

  • デザイン技術

  • ロボット工学

  • 多摩川での課外学習。釣り(7年生/中学1年生のみ)

  • ジャンクヤード・バンド(8年生/中学2年生のみ)

 

また、第二言語として英語を学んでいる生徒をサポートする、生徒への手助け部門もあります。 

 

高校では、各学年が約15名のホームルームに分かれています。ホームルームは小さなコミュニティとして機能しており、生徒一人ひとりが大人や仲間との様々なつながりを通じて、サポートを受けることができます。学問的には、国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラムに焦点が当てられていますが、高校のアカデミックプログラムの詳細につきましては、こちらからご覧ください。生徒は11年生(高校2年生)になる前に、IBディプロマに入学するかどうかを決定します。進路は教師や大学カウンセラー、IBコーディネーターと相談して決定しますが、東京アカデミックスでは、できる限りIBディプロマを取得することを生徒全員に強く勧めています。

 

ディプロマプログラムに参加する生徒は、2年間でIBの6科目を履修し、6つのグループから1科目ずつ提出する必要があります。

  • グループ1:言語と文学の研究

  • グループ2:言語習得

  • グループ3:個人と社会

  • グループ4:科学

  • グループ5:数学

  • グループ6:芸術

 

グループ6の科目を履修したくない生徒は、グループ1〜4の科目に置き換えることも可能です。さらに、グループ2の科目をグループ1の別の科目に置き換えることも可能です。6科目のうち3科目以上4科目以下は、上級レベルの科目を履修し、あとの残りは標準レベルの科目を履修します。

 

さらに、ディプロマ候補者は「知の理論」と呼ばれる哲学に基づいたコースを履修し、選択したテーマについて4000文字の研究論文である「課題論文」を執筆する必要があります。また、2年間のディプロマプログラムを通じて、創造性、行動、奉仕に取り組むプログラムへの参加が求められます。プログラム修了時には、国際バカロレアの試験を受験します。この試験は世界中の生徒が同一内容で受験し、採点は校外の専門家によって行われます。

ディプロマプログラムの詳細、達成のための具体的な内容や条件は、国際バカロレアのウェブサイトをご確認ください。

 

リーダーシップ、部活動、スポーツ

セント・メリーズ・インターナショナル・スクールでは、多くの放課後の部活動が提供されており、各学校のニーズや関心に合わせて調整されています。

 

小学校では、バスケットボール、野球、サッカー、ボールホッケー、校内学習、演劇、ボードゲームに参加することができます。放課後に図書館やコンピュータールームを利用することも可能です。また、インストラクターの許可があれば、水泳チームに参加することもできます。4年生(小学4年生)からは、通常の学習プログラムの一環としてスキー旅行を行っており、群馬県のスキーロッジに行っています。

 

中学校では、生徒たちは3シーズンにわたる全国高等学校総合大会に参加し、関東平野中等学校校長会(KPASSP)に加盟する他校と競い合います。同校のバスケットボールチーム「タイタンズ」は特に強豪として知られ、過去数年間で多くのタイトルを獲得しています。また、多くの生徒が音楽グループやビジュアルアート、演劇など、創造芸術プログラムに積極的に参加しています。中でも、クワイアチームは国際的なイベントやコンサート会場でのパフォーマンスが評価され、世界的にも名を知られています。

さらに、同校のディベートプログラムは日本一と評されており、海外の大会にも積極的に出場しています。このプログラムに参加する生徒は、成績優秀で意欲的なメンバーが多く、学業や課外活動を通じて互いに刺激し合っています。こうした環境は、向上心のある男子生徒にとってかけがえのない経験を提供しています。



学校別の部活動は以下の通りです。

中学校の部活動:

  • サッカー

  • クロスカントリー

  • 水泳

  • ドラマ

  • アート&デザイン部

  • ロボット工学

  • ブレインボウル(学術コンテスト)

  • 数学コンテスト

  • ボードゲーム

  • バスケットボール

  • レスリング

  • ラグビー部

  • 野球

  • トラック

 

高校の部活動:

  • スピーチ

  • ディベート

  • ドラマ

  • ブレインボウル

  • ミュージカル

  • インターナショナルショー・クワイア

  • 数学コンテスト

  • インストルメンタルミュージック

  • バスケットボール

  • 野球

  • クロスカントリー

  • サッカー

  • 陸上競技

  • 校内

  • ボールホッケー

  • 水泳

  • テニス

  • レスリング

  • ウエイトリフティング

 

成果

セント・メリーズ・インターナショナル・スクールの高校の生徒の70%が、国際バカロレアのディプロマプログラムの正規の試験を受験しており、そのうち90%がディプロマを取得しています。2020年の同校のディプロマの平均スコアは35点(45点満点中)でした。これに対し、世界中の受験者の平均スコアは30点です。

 

2020年の上級レベル(HL)のIB試験(日本語科目を除く)において、同校の生徒は以下の項目で最高の成績を収めました。

  • 物理(7点満点中6.36点、全世界平均5.29点)

  • 数学(6.09点、世界平均5.05点)

  • 英語A:文学(6.00点、世界平均4.84点)

  • フランス語B(6.00点、世界平均5.27点)

  • 化学(6.00点、世界平均4.92点)

 

2020年の上級レベル(HL)のIB試験で、同校の点数が最も低かった科目は以下の通りです。

  • グローバル社会のための情報技術(4.33点、世界平均4.49点)

  • 生物学(4.88点、世界平均4.72点)

  • 経済学(5.30点、世界平均5.34点)

 

全体的に見てみると力強い結果を残しており、同校の生徒が世界の平均的なIB受験者よりも優れていることを示しています。

 

標準テストに関して見てみると、同校の生徒はSAT®のエビデンス・ベイスド・リーディング(ERW)セクションで602点、数学セクションでは673点(合計1275点)を獲得しています。これに対し、全世界のSAT®受験者の平均点はERWで528点、数学セクションでは523点(合計1051点)という結果でした。

 

最後に、大学進学率に関して見てみると、2020年クラスの約56%がアメリカの大学に出願し、日本の大学には15%、イギリスの大学には12%、ヨーロッパの大学には1%でした。そして、66%の生徒が複数の国の大学に出願しています。2020年の生徒の全員が3年制または4年制大学に進学しています。

 

2020年にセント・メリーズ・インターナショナル・スクールの卒業生が進学した著名な大学は、以下の通りです。

  • ダートマス大学 (アメリカ)

  • ファッション工科大学 (アメリカ)

  • ジョンズ・ホプキンズ大学 (アメリカ)

  • 慶應義塾大学(日本)

  • ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (イギリス)

  • ニューヨーク大学 (アメリカ)

  • プリンストン大学 (アメリカ)

  • 香港科技大学(中国)

  • ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン (イギリス)

  • カリフォルニア大学バークレー校 (アメリカ)

  • カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (アメリカ)

  • ケンブリッジ大学 (イギリス)

  • 東京大学(日本)

  • 早稲田大学(日本)


本レポートに掲載されている情報は、アメリカンスクールインジャパンの生徒様のご経験、生徒様と関わりのある東京アカデミックスの担当者の知識、The Good Schools Guide Internationalセント・メリーズ・インターナショナル・スクールのウェブページから掲載されています。