Jan 29

清泉インターナショナルスクールのレビュー

清泉インターナショナルスクールは、東京都世田谷区にある幼稚園から高校までのカトリック系女子校で、国際バカロレア(IB)のプログラムを採用しています。清泉インターナショナルスクールに通う650名の女子生徒の主要言語は英語です。

東京の4大インターナショナルスクール(他にはアメリカン・スクール・イン・ジャパン、清泉インターナショナルスクール、聖心インターナショナルスクール、セント・メリーズ・インターナショナル・スクール)の一つとされる清泉インターナショナルスクールは、評判の高い人気校です。同校は、東京に駐留するアメリカ空軍兵士のお子様を教育するために1949年に設立されました。現在では、世界55カ国以上の女子生徒を受け入れています。1986年には、アジアで初めて国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラムを採用した女子校となりました。 

全国女子学校連合の科学的根拠に裏打ちされた同校は、女子校の生徒が日々の努力を最大限に発揮し、各授業から最大限の学びを得ることができるという理念の下に運営されています。

入学者選考

清泉インターナショナルスクールのアドミッション・ポリシーによると、入学資格を得るためには、入学希望者は以下のカテゴリーのいずれかに属していなければなりません。入学希望者のこれまでの学歴や言語的背景、英語のカリキュラムにおいて機能・成功する能力を考慮に入れています。

  1. 日本に移住する外国人家庭のお子様で、親のどちらかが英語を流暢に話し書ける家庭。

  2. ご両親のどちらかが英語を流暢に話し書ける国際的な家庭のお子様。

  3. 英語が堪能で、ご家庭内でも英語を話されるお子様。

  4. 英語を主要言語とする中学校に、2年以上留学した経験がある日本人のお子様。

  5. インターナショナルスクールから転校し、最低限のサポートが必要な現地の日本人のお子様。

  6. 日本のインターナショナルスクールから転校してきたお子様。

入学手続きで最も重要視されるのは、お子様が学校の教育プログラムに適応できるかどうかです。この学校では、主にお子様が英語を習得できるよう支援する教育を行っています。特に、現地の言語を習得するのが難しく、他の学校が現実的な選択肢とならない外国人家庭のニーズに応えることを目的としています。

現在在籍している生徒の兄弟姉妹、卒業生のお子様、教職員のお子様、帰国子女、カトリック教徒のご家庭のお子様は、入学申請時に優先される場合があります。ただし、最終的な決定は入学委員会が行います。

教育

清泉インターナショナルスクールは、国際バカロレア(IB)の継続校で、小学校では国際バカロレアの初等教育プログラム(PYP)、中学校では中等教育プログラム(MYP)、高校ではディプロマ・プログラム(DP)を履修します。2020年7月には、国際バカロレアのMYPが認可され、日本初の女子IB継続校となりました。

小学校の初等教育プログラムでは、生徒の社会的・感情的・身体的幸福、学力の成長と発達に取り組み、バランスのとれたカリキュラムを提供するように設計されています。また、国際バカロレアの学習者プロファイルを中心に設計されており、小学生は美術、音楽、ダンス、体育、ICT統合、図書館統合、第二言語(日本語とスペイン語)、宗教学、カウンセラー主導の授業と並行して必修科目を学んでいきます。 

中学校のカリキュラムは、国際バカロレアの中等教育プログラムに沿って拡張され、生徒が勉強と実社会との間において、実際的なつながりを作ることを奨励しています。国際バカロレアの中等教育プログラムは5年制のプログラムで、授業は個人と社会、数学、体育、科学のカテゴリーに大きく分けられています。また、アドバイザリープログラムに参加し、各生徒が教員やアドバイザーを選ぶ機会を設けています。生徒は、グループまたは個人でアドバイザーと直接会話をし、指導や助言を受けることができます。これは、高校に進学する前に、スタッフと有意義な関係を築くことのできる絶好の機会だと言えるでしょう。

9年生と10年生(中学3年生と高校1年生)は、IBの中等教育プログラムの枠組みの中で学習を続け、最後には教室での経験と個人的な経験を結びつけることができるMYP・パーソナルプロジェクトが用意されています。11年生と12年生(高校2年生と高校3年生)は、IBのディプロマ・プログラムに従って勉学に励みます。

ディプロマ・プログラムに登録した生徒は、2年間で6科目のIB科目を履修し、6つのグループから1科目ずつ履修する必要があります。2021年のグループと各グループのIBコースのリストは、以下の通りです。

  • グループ1:言語・文学研究

    • 英語A文学(必須)

    • 日本語A言語・文学

  • グループ2: 言語習得

    • 日本語B

    • フランス語B

    • スペイン語B

  • グループ3:個人と社会

    • 経済学

    • 歴史

    • 心理学

  • グループ4:科学

    • 生物学

    • 化学

    • 物理学

  • グループ5:数学

    • 数学:分析とアプローチ

    • 数学:応用と解釈

  • グループ6:芸術

    • ビジュアルアーツ

6科目のうち上級レベルの科目を最低3科目、最高で4科目履修し、それ以外は標準レベルの科目を履修します。

さらに、ディプロマ候補者は「知の理論」と呼ばれる哲学を基にしたコースを履修しなければなりません。選択科目では、「課題論文」と呼ばれる4000文字の論文を書かなければなりません。また、2年間のディプロマ・プログラムを通して、創造性や行動、奉仕のプログラムに参加します。各IBコースの修了時にIB組織が運営している試験を受けます。世界中のすべてのIBコースを受講する生徒が同じ試験を受け、学校外部の担当者によって採点されます。

ディプロマ・プログラムの詳細と、達成するための具体的な詳細や要件につきましては、国際バカロレアの公式ウェブサイトをご確認ください。

 

リーダーシップ、部活動、スポーツ

清泉インターナショナルスクールは、女子校として女性に指導的地位を与える部活動を誇りとしています。生徒会は、中学校と高校の生徒が教室内で指導的役割を果たすための仕組みを作っています。また、多種多様な部活動や学生団体では、生徒がリーダーシップを発揮する機会を提供しています。該当するクラブには、TED x Seisen、反レイシズム教育同盟、ワーシー・パーパス・クラブなどがあります。

 

同校の「ファイヤーバード」という名の国際競争科学部では、世界中の起業家精神あふれる生徒たちを、CONRADイノベーション・チャレンジを含む科学、技術、工学、芸術・リベラルアーツ、数学の5つの領域を対象とした(STEAM教育)競技会に参加しています。AI、UI/UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)、メディカルキャリアクラブ、環境アクションイニシアチブなど、他の多くのSTEAMクラブがキャンパスの生徒たちに刺激を与えています。

 

同校は、生徒がスキルだけでなく自信を身につけ、自然の中で過ごすことを奨励するエディンバラ公アワードプログラムを採用しています。学校のディベートプログラムは、最も競争力のある部活動とみなされています。また、同校は非常に強さを誇る合唱と器楽も充実しています。スポーツにおいては、地域リーグや国際リーグに参加できる競技スポーツがあります。バレーボール部とテニス部は、特に強いことで有名です。提供されているスポーツの部活動は以下の通りです。

  • MSクロスカントリー

  • HSクロスカントリー

  • MSバレーボール

  • HSバレーボール

  • HSテニス

  • MSバスケットボール

  • HSバスケットボール

  • MSフットサル

  • MS/HSバドミントン

  • HSサッカー

  • MS陸上競技

  • HS陸上競技

 

同校在籍の教師の多くはスポーツチームや課外活動への指導も行っており、生徒にとっては大学進学への推薦状を頼む前に、教員と仲良くなれる絶好の機会となっています。

 

東京の他のインターナショナルスクールと同様に、同校は学校全体の精神と帰属意識を高めるためにハウスシステムを運営しています。また、生徒が学校内で縦と横の友情を築く機会も設けています。各学校(小学校、中学校、高校)には、各ハウスごとにハウスキャプテンが2名(5年生、9年生、12年生/日本の小学5年生、中学3年生、高校3年生)おり、生徒自身がリーダーシップを発揮する機会をさらに増やしています。ハウスシステムは、様々な学校行事、テーマ・ドレスの日、グローバル・マインドネスの日、スポーツの日、ハウスピクニックの日など、部門別の生徒主導のイベントで活躍しています。

 

成果

清泉インターナショナルスクールの卒業生の50%は、北米の大学(主にアメリカ)に進学し、25%は日本もしくはアジアの大学に進学し、25%はヨーロッパ(主にイギリス)の大学に進学しています。

同校の高校生のうち、88%がIBディプロマ・プログラムを受験し、そのうち89%がディプロマを取得しています。2020年の同校のディプロマのスコアの平均は34点(45点満点中) で、世界の全受験者の平均は30点でした。そして、同校の生徒の10%が40点以上という成績を収めています。全体として、この結果は素晴らしいものであり、同校の生徒が世界の平均的なIB受験者よりも優れていることを示しています。

 

最新の標準テストでは、同校の生徒はSAT®のエビデンスベースドリーディング(ERW)で620点、数学で654点(合計1274点)を獲得しています。これに対し、全世界のSAT®受験者の平均はERWで528点、数学で523点(合計1051点)という結果でした。

 

大学進学率については、直近の卒業生の約60%がアメリカとカナダの大学に進学し、20%がイギリスとヨーロッパの大学に進学し、残りの20%が日本とアジアの大学に進学しています。

 

同校の卒業生の主な進学先は以下の通りです。

  • 香港大学(中国)

  • 慶應義塾大学(日本)

  • 早稲田大学 (日本)

  • ダラム大学 (イギリス)

  • インペリアル・カレッジ・ロンドン (イギリス)

  • オックスフォード大学 (イギリス)

  • ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (イギリス)

  • ブラウン大学(アメリカ)

  • カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ)

  • カリフォルニア大学ロサンゼルス校(アメリカ)

  • ダートマス大学(アメリカ)

  • ニューヨーク大学(アメリカ)

  • ペンシルベニア大学(アメリカ)

  • 南カリフォルニア大学(アメリカ)

本レポートに掲載されている情報は、アメリカンスクールインジャパンの生徒様のご経験、生徒様と関わりのある東京アカデミックスの担当者の知識、The Good Schools Guide International清泉インターナショナルスクールのウェブページから掲載されています。